公開初日から、“ONE PIECE FILM RED”のネタバレ有り感想を書くのを心待ちにしていたシャンクス&ウタ熱中症いまだ冷めやらぬゾリラバです、こんにちは。
本当に“RED”はワンピース映画史上でも最高傑作だと思うし、国民的アニメと最高の音楽の夢のコラボという意味でも、日本のアニメの一時代を画すものではないでしょうか。
ワンピースヲタクでAdoファンでもあるゾリラバは、3回映画館に足を運んでもまだお腹いっぱいになるどころか、回を重ねるごとに感動を新たにしています。
以下、既にONE PIECE FILM REDをご覧になった方と感動を分かち合いたいと思いますが、「これから観に行くよ」「観るか迷ってるよ」という方は、こちらのネタバレ無し感想をご覧いただきますようお願いします。
8月6日から語りたくてウズウズしていたゾリラバのエモが爆発すると思うので、かなり長くなると思います‼︎
お覚悟‼︎
Contents
「新時代」の幕開け
いきなりマイナーな感想から始まって恐縮ですが、これまでONE PIECE FILM 三部作と言われていた「ストロングワールド」「Z」「GOLD」にはあった冒頭の「麦わらの一味紹介シーン」は、前作映画の「STAMPEDE」に引き続き、今回も無かったですね。
あれはあれでテンション上がるんだけど、今回は映画全体のトーンからいって無くて正解かも。
はっきりいって今回の映画の主役は、シャンクスとウタなので、麦わらの一味を最初にべべんと紹介するのはなんか違う。
そう、まさにウタの歌う「新時代」で幕を開けるのが大正解‼︎
イントロ無しで始まるウタの透明感溢れる歌声を、劇場の最高の音響で聴いた瞬間、文字通り鳥肌たったよね。
初日は、首が痛くなるのを覚悟で、スクリーン以外は目に入らない一番前の席で観てたんですが、もう身体が動いてましたよ。
マスクの下でこっそり口ずさんでたし(笑)
令和の歌姫Adoがヒロインウタの歌唱パートをすべて担当していることもあり、映画というよりまるでコンサートのようだという感想を見かけましたが、ホント良い意味でよくわかるわー。
この「新時代」という歌は、この映画の主題歌であり、メインテーマでもあります。
最近の原作にも映画とタイミングを合わせるかのように“新時代”というサブタイトルが冠せられ、重要シーンでシャンクスが登場してこの言葉を口にしましたね。
つまり“新時代”という言葉は、今回の映画のテーマにとどまらず、いよいよ最終章に突入した一大絵巻“ONE PIECE”の重要なキーワードと言えるでしょう。
大海賊時代が始まって以降、四皇をはじめとする大物海賊が覇を競ったグランドライン後半の海が「新世界」なら、そうした海賊達によって作られ世界政府が黙認する秩序を壊そうとしている者達が作るのが「新時代」。
うーん、熱い!
ウタが作ろうとして、途中から道を誤ってしまった“新時代”は、ルフィ達が引き継いで切り拓いていく。
ラストシーン近くでシャンクスがウタに伝えたこのメッセージは、涙腺崩壊のピークでしたわ。
子供の頃にルフィが書いて「しんじだい」のマークとしてウタにあげたヘタクソな麦わら帽子の絵を、ウタが袖口のマークにしているエピソードもエモい‼︎
私は最強〜ウタウタの実の能力
幼い頃から歌が大好きで、「赤髪海賊団の音楽家」としていつも歌っていたウタは、「ウタウタの実」の能力者。
その能力は事前に見どころ予想として書いたとおり、歌によって聴衆を幸せな夢の中に引き込むことができるというものでした。
ウタの歌を聴くと、現実世界に身体だけ置いたままみんな眠ってしまい、心はウタが作り出した夢の中(仮想現実)を生きることになります。
そこは争いも病気も飢えもない永遠の平和な世界。
まさにそのウタワールドでウタは「最強」です。
悪魔の実の能力なので限界はあり、普段はウタの体力が尽きて眠ってしまうとみんなの夢は覚めるのですが、今回のライブでウタは自分の命を代償として悲壮な覚悟を決めていました。
その理由の一つは、大海賊時代の悲惨な現実に苦しむファンを救うという使命感と自分ならそれができるという責任感によるもの。
最強の歌姫である自分が、苦しむみんなを救いたいという純粋な思いです。
食べれば死ぬとわかっているネズキノコを食べて、自分が眠らない(夢から醒めさせない)決意で初ライブに臨むウタの覚悟に胸が痛みます。
逆光〜シャンクスへの愛憎
そしてウタを駆り立てた二つ目の理由は、音楽の国エレジアを破壊した挙句に自分を捨てたと最近まで思っていたシャンクスへの想い。
ウタの最初の「海賊嫌い」の原因に、シャンクスと赤髪海賊団に対する愛憎があったことは確かでしょう。
でも一年前に、エレジアを壊滅させたのは自分だったという衝撃的な事実を知ってしまったウタは、自分が海賊を嫌う資格すらないと思っていたはず。
映画の中でそれまでとは全く印象の違う「逆光」を歌うウタの表情には、単純な怒りではない複雑な心境が垣間見えます。
エレジアでの悲劇のあと、全ての罪を被ってウタをエレジアに置いていく、というシャンクスの選択が正しかったのかはわかりません。
シャンクスがウタを大切に思っていたこと。
その類まれな歌の才能を伸ばしてやりたいと思っていたこと。
常に敵船や海軍に狙われる自分と一緒にいてはウタの才能を潰してしまうと考えたこと。
どれも良くわかります。
エレジアの破壊の原因をウタに背負わせるくらいなら、自分が汚名を被ることを躊躇しないところもシャンクスらしくて最高にカッコいい。
でもね。
やっぱり結果論だけど、ウタはシャンクスと一緒にいた方が幸せだったんじゃないかと思ってしまうのよね。
シャンクスは、ウタにとってシャンクスと赤髪海賊団がどれほど大切か、自分は捨てられたと思うことがどれほどウタの心に傷を残すか、そこを見誤っていたと思う。
ウタカタララバイの狂気
ONE PIECE巻40億によると、凶暴化というネズキノコの副作用をウタは知らなかったようです。
ファンのために平和で争いのない永遠に幸せな世界を作ろうとしたのに、帰りたがる聴衆に苛立つウタは、だんだんとおかしくなっていきます。
そのウタの狂気を何より雄弁に語っているのが、劇中歌「ウタカタララバイ」。
劇中歌は7曲とも震えがくるほど凄いんだけど、この曲はもうハナからカラオケで歌うことは諦めモードになるほどの高速ラップで、Ado様の歌の特徴である中毒性から言ったら、ゾリラバ的には「逆光」と並ぶツートップです。
勝手に期待し夢や希望を託すけれど、簡単に梯子を外すというファンの身勝手さも、9歳からエレジアでゴードンとしか接触せずに成長した世間知らずなウタには衝撃だったのかもしれません。
命を投げ打って永遠に幸せなウタワールドを作るというウタの理想主義と、聴衆の現実がぶつかった時、ネズキノコの凶暴化作用と相まって、ウタの暴走が始まります。
トットムジカ〜魔王の再来
12年前、エレジアを壊滅させたのは、古い楽譜をウタウタの実の能力者が歌うと現れる封印されし古代の歌の魔王トットムジカでした。
TOT MUSICAというのはラテン語系言語(イタリア語やスペイン語)で、英語にすると「ALL MUSIC」。
「全ての音楽」といった意味ですね。
トットムジカの謎を解明したロビンによると、この魔王は「古代からの人々の想いの集合体」であり「触れてはならぬもの」。
暴走したウタが12年ぶりに呼び覚ましたトットムジカは、その恐ろしげな風貌もさることながら、劇中歌の“Tot Musica”の禍々しさがヤバすぎました。
この神曲を書いた澤野弘之さんという方、ゾリラバは寡聞にして知らなかったのですが、劇場で聴いて天才だと思いましたわ。
はっ。
気づけばここまでシャンクスとウタのことばかりで、ルフィ達麦わらの一味のことを全く書いてませんでしたね。
ワンピース映画なのに(笑)
でも、魔王トットムジカとの対決は、麦わらの一味ファンが狂喜する展開でしたよ。
ルフィはもちろん、いつも映画でカッコいいところを見せてくれるウソップが、今回も魅せてくれましたね。
そう、父親であるヤソップとの見聞色の覇気を通じた共闘です‼︎
ドンドットット、ドンドットット‼︎
原作ファンにしてみれば、たとえ映画はパラレルワールドとはいえ、まだシャンクスとルフィ、ヤソップとウソップには直に再会して欲しくない‼︎
その気持ちを尾田っちも映画スタッフさんも充分に理解してくれているのでしょう。
最高の形の麦わらの一味と赤髪海賊団の共闘でしたね!
仮想世界で、現実世界にいるヤソップの気配を察知したウソップが「オヤジ‼︎」と叫ぶと
や〜っと気づいたか馬鹿息子〜
と答えるヤソップが最高!
強者感と父親感ハンパない!
DVDが出たら何度でも観たいシーンです。
現実世界と仮想世界で同時に攻撃しないと倒せないトットムジカを、ヤソップ・ウソップ親子の指揮で麦わらの一味と赤髪海賊団がシンクロして倒すシーンは震えが来ますね。
ベックマンとゾロとか。
ゾロとか。
ゾロとか。
(ここへ来て思い出したゾロ愛が大噴出)
世界のつづき〜ウタの最期
ネズキノコの影響で凶暴化したウタが、現実世界のルフィにナイフを突き立てようとした瞬間にそれを止めたシャンクスの登場シーンはこの映画のクライマックスでしょう。
ウタに感情移入し過ぎて、3回とも泣きましたよ。
セリフがまたね。
久しぶりに聴きに来た…お前の歌を。
ですよ(号泣)。
ホントに「一瞬で美味しいとこ全部持ってく男」の面目躍如。
ウタを捕らえようとする大将黄猿に
親子喧嘩の途中なんだ
首を突っ込まないでもらえるか
というセリフも、シャンクスのカッコ良さ全開でエモがほとばしりました。
ホント脚本もサイコーです。
それとね。
初めてウタを拾った時のシャンクスの調子っぱずれの子守唄がもうね。
久々に泣きながら笑いましたわ。
ウタが入っていた宝箱を開けた瞬間、シャンクスの脳裏にロジャーとレイリーの顔がフラッシュバックするシーンも含めて、感動が最高潮‼︎
魔王トットムジカを倒しても、仮想世界に閉じ込められた人達が夢から醒めないという事態に、ネズキノコによる死期が近づいたウタが、シャンクスが差し出した解毒薬を拒否して立ち上がり、歌い始めるシーンは涙無しに観れません。
ウタが最期の力を振り絞って歌う歌がライブ会場と配信中の世界に流れ、人々を現実に戻していく姿を黙って見守り、支え続けるシャンクスがせつなくて尊い。
先に書いたように、シャンクスが12年前の選択を今でも正しかったと思っているかはわかりません。
でもたぶんシャンクスこそが一番、ウタをエレジアに残したことは正しかったのかと何度も何度も自問自答したのではないでしょうか。
だからこそウタのライブにただならぬものを感じてやって来た。
単に娘の歌を久しぶりに聴きに来ただけではないでしょう。
だからネズキノコの解毒薬なんかも準備してたんだろうなー。
風のゆくえ〜エンドロール
秦基博さんの「風のゆくえ」が流れるエンドロールも圧巻でしたね。
世界各地でトーンダイヤルから流れるウタの歌を聴いている懐かしい人達が次々と登場します。
覚えてるだけでも、マキノさん達(@フーシャ村)、おにぎりのデリバリーしてるリカ(@シェルズタウン)、ガイモンとサーファンクル(@珍獣の島)、カヤとメリー(@シロップ村)、ゼフとパティとカルネ(@バラティエ)、ヨサクとジョニーとノジコ(@ココヤシ村)、パウリーとアイスバーグさんと可愛い少女秘書(@ウォーターセブン)、ペローナ(@クライガナ島?)しらほし(@魚人島)、ハンコックとサンダーソニアとマリーゴールドとにょん婆(@ アマゾンリリー)、レベッカとレオ(@ドレスローザ)、スモーカーとたしぎ(@場所不明)、バルトロメオの田舎の駄菓子屋のばあちゃん(@東の海のどこか)、ベッジとシフォンとローラとゴッティ(@場所不明)が確認できましたね。
ジャヤの猿山連合軍や空島の連中もいたような気がするけどはっきり思い出せません。
3回観ても全然覚えきれない‼︎
次に観に行った時にまた他のキャラを確認しようと思います。
なお、現在、原作の方が大変なことになってるアラバスタやビビは登場しませんでした。
そういう配慮、すごくいいよね。
個人的に気になったのは、スモーカーとたしぎのシーンで子供達が遊んでいたのですが、あれってベガパンクの治療で普通サイズに戻ったモチャ達だったりする?
ちょっと顔が違う気がするけど、もしそうだったらエモいなー。
巻40億で判明した衝撃の事実
最後に、劇場で配布されたONE PIECE巻40億で明かされた衝撃の真実を。
映画に登場する、赤髪海賊団が敵船から奪った宝箱を開けたら2歳のウタが出てきて、シャンクスが一瞬、ロジャーとレイリーの驚いた顔を思い出すシーン。
この種明かしが巻40億の最後に尾田っちのラフ画で描かれているのですが。
なんとシャンクスは、ロジャーがゴッドバレー事件の際に奪った宝箱から出てきた赤い髪の赤ん坊だそうな‼︎
くあー!
ゴッドバレーに当時いたことが分かっているのはロックス海賊団とガープとロジャー。
そして天竜人とその奴隷。
やはりシャンクスは天竜人の血筋なの⁉︎
また、映画の中で気になったのは、五老星のおじいちゃん達が、ウタのことを「フィアーランド家の血を引いていてもか」と言ってました。
シャンクスの娘だと知ってそう言ったなら、シャンクスがその血筋ってこと⁉︎
フィアーランドって、Fearland(恐怖の地)っていうスペルかしら。
(追記)ONE PIECE FILM REDの小説版を確認したところ「フィガーランド」であることが判明。劇場で何度聴いてもフィアーランドに聞こえますが。
ラフテルに到達した後のロジャーに質問をしたシャンクスが号泣していたのって、なんか関係ある⁉︎
いやー、この辺りはめちゃめちゃ気になります。
あと、それに比べたらどうでもいいっちゃどうでもいいんだけど、音楽の国エレジアの国王にして、歌姫ウタを育て上げたゴードンって、音痴なの?(笑)
ウタに貼り付けられた楽譜から自分で脱出出来なかったのが謎過ぎる…
音感はベポ以下?
さて、4回目はいつ観に行こうかなー♫
(追記)
4回目を観た後の更なる感想とONE PIECE magazine vol.5がらみの涙腺崩壊レポはこちら。
熱中症と風邪のせいで大分遅れましたが
本日やっとFILM行けました!!!!
やはり、YouTubeで聞いておいた事もあって”新時代”から最後の曲までてんこ盛り盛りとなりました!!!
一言で言えば、とにかく歌とBGMが迫力抜群でした!
ウタの性格は、基本的には明るく朗らかでフレンドリーだが、若干ずる賢く生意気な面もあるという感じでした。
このご時世で無ければ、また見たい所ですが、DVDが発売されるまで気長に待とうと思っています。
かなこさん、コメントありがとうございます。ONE PIECE FILM RED観に行けて良かったですね。私は4回くらい劇場に足を運びそうですが、それでもDVDは買っちゃうだろうなぁ。映画館で一時停止できないから…