年賀状を書こうと思い立って、1枚も書かないうちに1週間が過ぎたことに驚いているフライデーナイトのゾリラバです、こんばんは。
さすが師走は時間が経つのが早いですな(違う)。
さて、好きなことには筆もフットワークも軽くなるゾリラバ、今日は年賀状ではなく、ワノ国についてちょっとじっくり書こうと思います。
前から書きたかったワノ国に見られる日本文化について!!
英語版ではだいぶ前に民話を中心に日本文化の紹介記事を書いたのですが、民話以外にもワノ国編には日本文化のかほりがいっぱいです。
ワノ国に見る和のテイストについて、自分が忘れないようにまとめておこうと思います。
Contents
日本の神話・民話
桃太郎
ワノ国に登場する神話や民話のモチーフはいくつかありますが、一番分かりやすいのは「桃太郎」ですね。
「モモの助」は明らかに桃太郎から連想した名前でしょう。
「鬼ヶ島」もそのまんま。
お玉ちゃんの悪魔の実の能力「きびだんご」もそうですね。
子供も知っている民話「桃太郎」は、おばあさんからもらったキビダンゴで、猿、犬、雉をお供にして、鬼ヶ島に悪い鬼を退治しに行くお話。
モモの助を盟主とした“反カイドウ”同盟が、猿(ルフィ達麦わらの一味)、犬(イヌアラシ達赤鞘九人男とミンク族)、雉(マルコ)を主力としているのが面白いですね。
不死鳥(フェニックス)を雉に模して良いのかはわかりませんが(笑)
八岐大蛇(やまたのおろち)
カイドウを後ろ楯としてワノ国に圧政を敷いていた黒炭オロチは、ヘビヘビの実モデル“ヤマタノオロチ”の能力者。
オロチという名は、須佐之男命(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した有名な日本の神話がネタ元でしょう。
その名のとおり8つの頭を持つ大蛇をスサノオは8つの酒樽でへべれけにして斬り倒します。
ちなみにこの時にスサノオが使った刀が天羽々斬(あめのはばきり)。
ワノ国編で、光月おでんが息子モモの助に残した刀の名前ですね。
ゾロに譲られた“閻魔”とともに唯一カイドウに傷をつけた刀です。
てっきりこの神話にならってモモの助が天羽々斬でオロチを討つもんだと思っていたのですが…オロチ、本当にあっさり死んでしまったんでしょうか。
落語
尾田っちが子供の頃から落語好きだっただけあって、ワノ国編には、落語ネタも満載です。
いくつかみてみましょう。
頭山
アシュラ童子が率いていた“頭山盗賊団”の元ネタは、落語の「頭山」。
さくらんぼを食べ過ぎて頭のてっぺんから桜の木が生えてきた男の話です。
アシュラ童子達が根城にしていた頭山にも桜の木が一本生えてましたし、アシュラの髪型も落語「頭山」の主人公みたいで笑えます。
フラの助と落語でおなじみの皆さん
ワンピース第929話でカイドウの屋敷図を手に入れるために花の都を東奔西走するフラの助ことフランキー。
質屋が屋敷図を売った相手のクマ五郎は、落語ではお馴染みの「はっつぁん、くまさん」の一人で、いつも店賃を溜めてます。
ワノ国のクマ五郎さんも店賃がわりに屋敷図を大家に持ってかれることに。
そしてその大家の幸ベエさんも落語「小言幸兵衛」でお馴染みの大家さんですが、ワノ国の幸ベエさんは「にこにこ」していてあまり口うるさくなさそう!!
その後に登場する人々も、郭(くるわ)話に出てくる花魁「喜瀬川」に由来すると思われる“きせ川ちゃん”とか、落語『明烏』に出てくる“時ジロー”とか、『らくだ』ネタとか、落語好きならニヤニヤする名前ばかりでしょう。
日本映画
尾田っちは落語と並んで古い映画も大好きだそうで、「ワノ国編は趣味全開になりそう」と言っていたとおり、日本の古いチャンバラ映画や役者さんがネタ元と思われるモチーフがいくつかあります。
旗本退屈男
額に三日月の傷がある昭和の人気時代劇“旗本退屈男”は、天才忍者雷ぞうの顔のビジュアルモデルと推測しています。
もっとも旗本退屈男は偉丈夫なのに雷ぞうは二頭身だから、似ているのはあくまで額の三日月だけですが(笑)
雷ぞうは、キャラ語りでも書きましたが、額の三日月を“旗本退屈男”から、天才忍者というコンセプトを霧隠才蔵から、そして名前を昭和の人気俳優の市川雷蔵からとったと思われ。
尾田っちの思い入れが伺えるキャラですね。
眠狂四郎
正体が判明する前から重要人物感半端なかった居眠り狂死郎のモデルは、昭和の人気映画『眠狂四郎』でしょう。
居眠り狂死郎というネーミングには尾田っちのセンスを感じます。
いつも居眠りしているのもちゃんと理由があったし。
ちなみにこの『眠狂四郎』というニヒルでクールなキャラを演じて人気を博したのが、先ほど挙げた市川雷蔵という役者さんですね。
侍の心
パンクハザードで初めて錦えもんとモモの助が登場して以来、彼らの言葉や行動から、ワノ国の侍が江戸時代の武士のような価値観を持っていることが示されてきました。
我々が知る侍文化が随所に描かれています。
パンクハザードでモモの助が空腹でも食事を拒んだのは、“武士は食わねど高楊枝”という川柳で有名な侍のやせ我慢を連想させます。
またゾロがワノ国入国早々に切腹させられそうになったのも、海外でも“ハラキリ”として有名な侍の文化ですね。
錦えもんがパンクハザードで“女はつつましく”云々の発言をした時は、ナミからは“男尊女卑男”と一蹴されてましたがwww
ま、彼は実際に20年前の人ですから、ちょっとワノ国でも時代遅れなのかもしれません(笑)。
対カイドウ戦が始まってからは、赤鞘九人男の侍の覚悟と矜持に痺れっぱなしですが、尾田っちがワノ国編で書きたかったのはこの“侍の覚悟”なんじゃないかなーと思うんですよね。
江戸の庶民の暮らし
200年続いた江戸時代の泰平の世の主役は侍ではなく、商人や職人たち庶民でした。
ワノ国の花の都の生活には、江戸の町人の暮らしが垣間見えます。
例えば相撲だったり銭湯だったり遊郭だったり。
食文化も、サン五郎の二八そば“十八番(おはこ)そば”や、兎丼で命がけの争奪戦が繰り広げられたおしるこなど、日本が世界に誇る美味なるものが紹介されていますね。
世界中にファンがいるワンピースですから、ワノ国編を読んで日本文化への興味と理解が深まるといいなぁと思います。
大タコが銭湯で背中流してくれるとか(違う)。