何度も今週のワンピースを読み直し、おでん様の5年間の忍耐と無念に胸ふたぎ涙ぐむ秋の日のヴィオロンのため息、ゾリラバです、こんばんは。
はうっ(泣)
さて昨日はストーリーを追うのに精一杯で書き切れなかった細部についての感想、いってみたいと思います。
以下、今週の週刊少年ジャンプ掲載の最新話の内容に触れますので、コミックス派、アニメ派の方は、ネタバレご注意下さい。
おでんの奇行の理由など、感想・考察(その1)はこちらから。
オロチの恐るべき罠
おでん様のワノ国帰還から処刑まで、5年間という微妙な歳月が空いているのが気になると以前書きましたが、この執行猶予期間はオロチの巧妙かつ悪辣な罠でした。
ワノ国で長く将軍を勤めてきた光月家の正統な嫡男であり、国中が帰還を喜んだおでん様の評判を落とし、失望させるための。
オロチとはなんと腹黒くずる賢い人物なのでしょう。
おでん様がそれを堪え忍んでいたのは花の都の人々を人質に取られていたからではないか、と昨日考察したとおり、笑い者になりながらも家族や家臣達にさえ何も告げず、一人ですべてを背負うおでん様がかっこよすぎて泣けてきます。
こういうところもロジャーとおでんは良く似ていますね。
ロジャーの処刑
そのロジャーが自らの処刑の場を利用して「大海賊時代」の幕を開けたニュースを読んで、おでん様は大声で泣き、大笑いしました。
すげェなお前は!!
すげェ人生だ!!!
この涙と大笑いには、きっとロジャーと一緒にラフテルにたどり着き世界の秘密を知った者だけが理解できる理由がありそうです。
レイリーもシャボンディでルフィ達に同じことを言ってましたね。
あの日ほど笑った夜はない…!!
あの日ほど泣いた夜も…
酒を飲んだ夜もない……!!
我が船長ながら…見事な人生だった…………!!!
(ONE PIECE第507話)
このロジャー処刑のニュースを読んで、きっとおでん様は「ワノ国を開国して20年以上先の未来に備える」というかつて自らが口にした決意を改めて固めたのではないでしょうか。
カイドウVSモリアとリューマの墓荒らし事件
毎週ものすごい勢いで過去の伏線が回収されているONE PIECEですが、今週も、スリラーバークで初めて言及されたカイドウとモリアの戦争の話がサラッと出てきました。
といっても新しい情報は、その戦いの舞台が「鈴後」だったことくらいですかね。
リューマは鈴後の霜月家の出身で、墓も鈴後にありますから、初めからモリアは“伝説の侍”の遺体目当てでワノ国に乗り込んで来たのかもしれません。
それで墓を荒らしてリューマと秋水を盗んだところで駆けつけたカイドウに撃退されたと。
今は「お前がやれ」が口癖の他力本願でトリッキーなモリアさんですが、若い頃は先頭に立ってカイドウを正面から力押ししたのでしょうか。
ローグタウンでロジャーが処刑された時にもその場にいたモリアさん、カイドウに挑んだ時には27才で血気盛んなキレッキレの若者だったのかも、とか想像すると楽しいです。
そしてこの敗戦で「仲間は生きてるから失う」という教訓を得たモリアは、この後、ゾンビ兵作りにのめりこんでいくわけですね。
おでんを支える人々
己の胸中を明かさず、国中の笑い者になりながらも孤独な戦いをしているおでん様に、最も身近な人々が変わらぬ信頼と愛情を寄せ続けていることが、今週、せめてもの救いでした。
家族や家臣はもちろん、口は悪くてもおでんの最大の理解者である霜月康イエや、オロチの軍門に下ることを拒否し続けているヒョウ五郎親分。
しかし5年目にとうとう動き出したオロチによって、ヒョウ五郎親分はカイドウに捕らえられ、おでん様を可愛がっていたおかみさんや部下達は殺されてしまいます。
堪え忍ぶ戦いが無意味だと知ったおでん様の「カイドウを討つ」決心を「待ってました!!!」とばかりに歓迎する家臣たち。
カイドウと戦えば無事では済まないことは錦えもん達もわかっているでしょうが、5年間一人で“何か”を背負い続け、オロチの言うなりに道化を演じていた主君を見ている方が、ずっと辛かったことでしょう。
笑う傳ジロー
カイドウ討伐に向かう一行の中には、ここしばらく姿を見なかった傳ジローもいます。
最後に登場したのがおでん様の出航時ですから10年ぶりでしょうか。
なんかむちゃむちゃカッコ良くない?
今までワンピースにはいなかったタイプ、そうNARUTOのシカマル的な魅力を感じます。
いきなり主観的な感想と興奮に走ってすみません。
それにしても、おでん様はじめ他の皆が悲壮な覚悟を決めた表情なのに、傳ジローは一人不敵に微笑んでいますが、この表情には、何か意味があるのでしょうか。
金策で全国を走り回っている間に敵側に寝返ってたという展開だけは頼むからヤメテ欲しい…
現在の時間軸には未だに登場していない傳ジローだけに、一抹の不安が拭えません。
寝返りといえば、今週、最初におでん様がオロチを斬りに行った時に天井から若かりし頃のくノ一しのぶが覗いている1コマがありました。
これもなんだか意味深ですよね。
現在、味方の情報をオロチに流している輩がいるせいか、いろいろと疑心暗鬼になってしまいます。
ま、最後にはいつも、全て尾田っちの手のひらで転がされていたことがわかるんですけどね。