脳内は常に春でも、花の季節の匂いがすると気分の高揚が否めないゾリラバです、こんばんは。
引越を控えているせいかもしれませんが、ステイホーム中でもなんだかワクワクします。
さて、今日3月20日は我らがルフィの頼れる義兄ちゃん、サボの誕生日です。
でもサボのキャラ語りは去年の今日にやってしまったので、今日はもう一人、誕生日を迎えた金獅子のシキについて、語ってみようかと思います。
映画のオリジナルキャラのようで本編にもときどき名前が登場する独特の立ち位置のシキ。
最近のワノ国編では、オロチをそそのかす先代マネマネの実の能力者の老婆、黒墨ひぐらしが変身してみせた中に、シキらしき顔があって、久々に「お、これって、もしかしてシキ!?」と話題にのぼりました。
金獅子のシキの性格
2009年に公開された映画“STRONG WORLD”は、尾田っちが初めて製作総指揮を行ったこともあり、それまでのワンピース映画とは全然違うクオリティとスケールの傑作でした。
最も好きなONE PIECE映画アンケートでも常に上位にランキングされますね。
もちろん映画の主役は麦わらの一味ですが、航海士としての能力を欲してナミを誘拐したのが、敵側の主役である金獅子のシキ。
映画で描かれたシキの性格は、部下達とおちゃらける陽気さと、能力が低い部下を容赦なく処刑する残忍さ、欲しいものを手に入れるためには手段を選ばない強欲さを併せ持った、ある意味とても海賊らしいもの。
また、映画公開時に劇場で配布されたONE PIECE巻零によると、ライバルだったロジャーが海軍に捕まったと聞いたときは、その情報をもたらした部下を撃ったり(ヒドイ)、怒りに任せて海軍本部に乗り込んだりするような、直情径行なところもありましたね。
かと思うと、自らの野望を確実に実現するために20年間も待てる男でもあります。
よかろう
計画発動は20年後だ!!!
地上に地獄を見せてやる!!!
(ONE PIECE巻零)
この複雑な人物造形こそ、敵にもきちんとした人生の背景とストーリーを与える尾田っちらしさであり、シキが単なる一度きりの映画オリジナルキャラで終わらず、その後も本編にたびたび絡んでくる所以でしょう。
シキの価値観と野心
ONE PIECE巻零で描かれた“エッド・ウォーの海戦”では、シキが世界を“支配”するために“世界を滅ぼす兵器”を欲していることが明らかに。
その在処を知る後の海賊王ゴール・D・ロジャーに手を組もうと何度も誘いをかけるものの、「支配」に興味のないロジャーには、毎度あっさり断られていた模様。
この「自由」対「支配」の構図は、ONE PIECEという物語の重要なテーマでもありますよね。
主人公である我らがルフィは、かつて海賊王の右腕であったレイリーに、「キミにこの強固な海を支配できるか!?」と問われ、
支配なんかしねェよ
この海で一番自由な奴が
海賊王だ!!!
(ONE PIECE第507話)
と答えています。
つまり同じ海賊でも、“支配”を望むシキの対極にいるのが、かつてのロジャーであり、海賊王を直接知っているわけではないのに本能で理解しているルフィなんですね。
この“自由”対“支配”の闘いがまさにルフィとシキが激突した映画“ストロング・ワールド”だったというわけです。
かつて大艦隊を率いて圧倒しても“自由”を掲げるロジャーに勝てなかったように、シキは四半世紀を経て再び、“自由”を愛するルフィに敗れます。
映画ストロングワールドで、ルフィに打ちのめされ、またしても「最弱の海」イーストブルーの出身者に敗れるのか、とシキが嘆息するシーンは印象的でした。
シキの生涯
世界を支配する手始めに“東の海”を壊滅させようという野望をルフィに阻まれた金獅子のシキが、その後どうなったかについては不明です。
再びインペルダウンに収監されたのか、うまく命拾いして海軍からも逃げおおせて、また雌伏の時を過ごしているのか…
今後本編に登場するかはわかりませんが、シキの生涯を、ONE PIECE巻零の情報の整理も兼ねてまとめておきましょう。
時期 | シキの動向 | その他の登場人物の動向 |
38年前 | 所属していたロックス海賊団を、ガープとロジャーにより壊滅させられる | 白ひげ、カイドウ、ビッグ・マムらもロックス海賊団に所属 |
27年前 |
“エッド・ウォーの海戦”でロジャーと戦う 頭に舵輪がめり込む |
ロジャー、シキの世界を“支配”しようという誘いを蹴り、2年後、海賊王となる |
24年前 |
ロジャーが海軍に捕らえられたと聞き、単身マリンフォードに乗り込む センゴクとガープに捕らえられ、インペルダウンに投獄される |
ロジャー、故郷ローグタウンで処刑され、大海賊時代が幕を開ける ルッチ少年、故郷で修行に明け暮れる デュバル生まれる ハンコック、妹達に大海賊時代の心構えを説く |
22年前 |
両足を犠牲にしてインペルダウンを脱獄する 白ひげに会いに行き、しばらく姿を消すことを告げる 雲に届く秘境“メルヴィユ”で、部下の科学者インディゴに、20年後の計画発動を告げる |
ハンニャバル、マゼラン副署長に助けを求める ガープ、ハイハイし始めたエースに会いにコルボ山のダダンを訪ねる くいな生まれる シャンクス、ヤソップを探してシロップ村を訪れる ワポルが父である前国王の悩みの種に ガイモン、宝箱にミラクルフィット トムズ・ワーカーズ、海列車製作中 |
2年前 |
“東の海”の破壊し世界を支配しようと行動を起こす ルフィとの戦いに敗れ、野望を打ち砕かれる |
シキに拉致されたナミを救出するため、麦わらの一味が空を飛ぶ島“メルヴィユ”に乗り込む |
©️zorilover
シキの強さ
最近になって、シキがかつてロックス海賊団に所属していたことが明らかになりました。
のちの海賊王や四皇達と覇を競っていたシキですから、全盛期の強さは疑いようがありません。
シキは、自分とあらゆる無生物を浮かせることができるめちゃめちゃチートな“フワフワの実”の能力者でもあります。
しかし、まだ「ルーキー」だった2年前のルフィに、最終的には敗れてしまいました。
その原因としては、インペルダウンを脱獄した22年前に両足を失ったことや老いによる単純な戦闘力の低下もあるでしょう。
しかし一番大きな敗因は、かつて世界最強の猛者達と渡り合った自信からくる慢心かもしれません。
映画“ストロングワールド”を観ていない方にネタバレになるといけないので詳細には語りませんが、最後にルフィに負けるまでにシキには何度か麦わらの一味を全滅させるチャンスがありましたから。
その時点では格上と思われる敵にもこれまでルフィが勝ってきたのは、ルフィ自身の強い“想い”の他に、敵の慢心や油断がありましたが、シキも例外ではなかったですね。
孫のように若いルフィに格下と油断した時に、勝敗は決まったのでしょう。
今後、本編にシキが登場してもあまり役割はないような気がしますが、これからも時々名前が登場して読者を楽しませてくれるかもしれませんね。
ともあれ、大親分、誕生日おめでとうです。
どうかもう世界の支配は諦めて、静かに余生をお過ごし下さい。