月曜日の午前0時に定期講読中の週刊ジャンプが読めるようになったことを初めて知り、いそいそと今週のONE PIECEを開いたら、あまりの衝撃の展開に眠れなくなったゾリラバです、こんばんは。
なんなのー、これはいったい!?
もうね、ウォーターセブン編でルッチ達が政府側だとわかった時をはるかに越えるショックですよ。
知りたいようで知りたくなかった「裏切り者」の正体がついに判明した今週のワンピース。
以下、週刊ジャンプ掲載の最新話の内容に触れますので、コミックス派、アニメ派の方は、ネタバレにご注意下さい。
裏切り者はカン十郎
おでん様の処刑のシーンを見て、「裏切り者」の容疑者から赤鞘九人男としのぶを完全に除外したゾリラバは、「この中に裏切り者がいたらそれはもうONE PIECEではない」とまで言い切りました。
もうそれは祈りに近い気持ち。
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涙。
未だに信じたくないけど、裏切り者は、赤鞘九人男の一人、カン十郎でした。
泣。
今回、自分が裏切り者であることをカムアウトしたカン十郎の心の闇が深すぎる。
カン十郎はなんと、迫害され両親を殺された黒炭家の生き残りでした。
確かにおでん様との出会いのシーンで、“迫害されていた”とは描写されていましたが、それは髪を奪って筆を作ったりしてる“変態”だからだとばかり。
おでん様もそう思ったでしょうし、おでん様がそう思うようにカン十郎も『演じた』のでしょうね。
黒炭家の生き残りと知っていたら、おでん様は決して迫害を“自業自得”とは言わなかったはず。
カン十郎の闇
それにしても、少年漫画とは思えないノワールな展開に、カン十郎に対して怒りよりもやるせない無情感が湧いてきます。
これほどに複雑で救いのないキャラは、ONE PIECE史上初めてではないでしょうか。
「夕立カン十郎」という光月の侍を最初から演じていた黒炭カン十郎。
心が空っぽという点では、魚人島のホーディを彷彿とさせますが、「意思と実体験」が欠如していた幼稚なホーディと違って、カン十郎はあまりに強烈な実体験のせいで心が壊れてしまった分、より深い闇に魂を売り渡してしまったのでしょう。
誰かを演じることでしか生きられなかったなんてつらすぎる。
カン十郎の救い
カン十郎を疑う意見はこれまでも多く目にしてきました。
むしろしのぶさんと並んで容疑者の筆頭だったと言ってもいいくらい、状況証拠的には怪しかった。
でもね、ドレスローザからずーっと仲間だと思ってたわけですよ(←ワンピ世界に没入すぎて現実との境界があやふやになっている)。
ゾリラバより付き合いの長い錦えもん達の驚愕と悲しみは察するに余りあります。
数十年に及ぶカン十郎のおでん様と仲間に対する裏切りは許せないけど、単に敵として倒されるのではなく、報いを受けた上で心は救われてほしいと思ってしまいます。
オロチに情報を流していたにせよ、すべてが演技だったにせよ、おでん様や赤鞘の仲間と一緒にいて幸せを感じたことは一瞬たりともなかったのかと問いたい。
一片の良心の呵責があったからこそ一緒に処刑されることを厭わなかったのではと問いたい。
でもその後も仲間を裏切り続けたということは、おでん様の壮絶な最期にも心を動かされなかったということですかねぇ。
救いがないなぁ。
ドレスローザ編やゾウ編を読み直すのが辛いなぁ。
カタルシスとは違う何か
ウォーターセブン編でルッチ、カク、カリファ、ブルーノが揃って政府側だと知った時も、かなりの衝撃を受けました。
でもその時はすっかり騙された驚きと同時に、なんというか爽快感があったんですよね。
優れた推理小説で、最後までわからなかった犯人が意外な人物だとわかった時のカタルシスのような。
でも裏切り者「黒炭カン十郎」は、謎が解けたカタルシスを悲しい気持ちが上回ってしまいましたわー。
これが少年漫画の王道を行きながら、予定調和や子供だましな勧善懲悪に陥らないワンピースの偉大さなんですが。
そして尾田っちがすごいところは、今週気持ちがどん底まで行きそうだった展開を最後に待ちに待った最高の場面で終わらせてくれたことですね。
シャボンディの揃い踏みよ、再び!としつこく言っていたゾリラバの願いが叶いました。
しかも今回は海賊らしく海の上で!!!
すごく長くなったので、続きはまた改めて書きますね。
ワノ国年表も更新しました。