まだ師走にもなっていないのに、時の過ぎ行く早さにめまいがしている11月のゾリラバです、こんばんは。
10月25日のコアラの誕生日にキャラ語りをしようと思っていたのに、気づいたら1ヶ月が過ぎてました…
気絶してた?
数日遅れのキャラ語りは通常運転ですが、さすがに1ヶ月も経っちゃうとね…
そういうわけで(どういうわけで?)、コアラのキャラ語りで最も語りたかったワンピース世界における「受け継がない意志」について。
今夜は他の二人の「意志」の担い手と併せて考察してみようと思います。
またしても長くなる予感がしますが、原作も休載だし、のんびり読んでくださいまし。
ちなみに今日11月26日が誕生日のゴローについてのキャラ語りはこちらです。
「ゴローって誰っ‼︎?」と思った方、「1126(イイフロ)」がヒントです!
ゾリラバが熱く語ったキャラの中でも最もマイナーなので、知らなくても全然問題ありませぬ。
“受け継がれる意志”と受け継がない意志
ワンピース好きな方なら、「受け継がれる意志」という言葉はおなじみかと思います。
「人の夢」「時代のうねり」と共に、「人が「自由」の答えを求める限り、決して止まらない」ものとして、海賊王ロジャーが語った言葉とされています。
いわばワンピースのストーリーを理解する上でとても重要な3つのキーワードのひとつですね。
主人公ルフィに代表されるDの一族が「受け継がれる意志」の担い手として、ワンピースという壮大な物語を紡いでいく一方で。
恨みや憎しみや因縁といった負の「意志」を「受け継がない」人々が、この物語に哲学的な深みと感動を与えているように思えます。
ワンピース世界には、夢や希望や仲間や冒険といった前向きで明るい意志だけでなく、虐げられた歴史や理不尽な差別も存在しているので。
自らの意志で、恨みと復讐の連鎖を断ち切ろうとする人々には、ある意味「受け継がれる意志」の担い手以上に強い覚悟が必要かもしれません。
今夜取り上げるのは、伝えられた恨みや暗い歴史を「受け継がない」3人のヒロイン、革命軍のコアラ、人魚姫しらほし、ワノ国のお玉です。
べべんっ!
タイガーに救われたコアラ
天竜人の奴隷だったコアラは、魚人のフィッシャー・タイガーのマリージョア襲撃によって解放され、更に数年後、何の因果かタイガー率いるタイヨウの海賊団に故郷まで送り届けてもらうことになりました。
奴隷生活のトラウマから、張り付いた笑顔でひたすら掃除することしか出来ないコアラと、人間に虐げられた歴史からコアラを素直に受け入れられない魚人達。
でも長い航海を共にし、お互いの恐怖がお互いを「知らないこと」から来ることを理解して、コアラの故郷に着く頃にはすっかり魚人達もコアラも家族のようになったわけですが。
コアラの故郷の人々の通報により死に瀕したタイガーは、最期に人間の輸血を拒みます。
頭では人間も魚人と同じで、コアラのようないい子がいると分かっていても。
魚人として人間への恨みを自分は完全に捨て切ることができないと。
しかしタイガーが偉大なのは、その負の感情をコアラのような若い世代に伝えてはいけないと遺言したことです。
そのタイガーの願いが通じてか、成長したコアラは、魚人空手師範代として革命軍で活躍しています。
同僚の魚人ハックとのやり取りを見ても、また、人間ながら魚人空手の師範代であることからしても、コアラの中には魚人を差別したり嫌悪する気持ちはカケラもないことでしょう。
人間と魚人の架け橋として新世代を担うコアラは、憎しみの連鎖を次世代に引き継がせないというタイガーの受け継がない強い意志の申し子と言えます。
母の教えを守り抜いたしらほし
フィッシャー・タイガーの他にももう一人、憎しみの連鎖を命懸けで拒否した魚人族がいました。
それが魚人島のネプチューン王の妃であり、しらほしの母であるオトヒメです。
しらほしは、「人を恨んではいけない、たとえ母を殺した相手でも憎んではいけない」というオトヒメの教えを守り抜きました。
人間に罪を着せて魚人の憎しみを煽ろうとしたホーディが母を殺した犯人だと知りながら、何年もひとりで秘密を抱え、決して憎まないという約束を守り続けるというのは、並大抵のことではありません。
ゾリラバには無理。
人魚姫が世界を滅ぼす力を持つ古代兵器ポセイドンであることを思えば、しらほしがオトヒメ王妃の教えを守って聖女のような清らかな心の持ち主に育ったことは、世界にとって救いと言えるのでしょう。
迫害と貧困を感謝に変えたお玉
3人目のヒロインは、ワノ国の奇跡と言っても良いくらい健気でいじらしいお玉ちゃん。
ルフィが初めてワノ国で会った時から、なんて愛らしく心が強い子供なのかしらとゾリラバのハートをわしづかみのお玉ちゃんでしたが。
その後、幼いながら鬼ヶ島決戦で勇気を奮って戦う様子にますます惚れ。
そして感動の極め付けは、ワノ国編の終盤で、お玉ちゃんが実はオロチと同じ黒炭家の出身だと分かったことですね。
黒炭家はかつて、ワノ国の将軍ポストを狙い、代々将軍を務める光月家やその他の大名の暗殺を企みました。
その罪で迫害され、その恨みが黒炭オロチや黒炭カン十郎のような救いようの無い復讐の鬼を生んでしまいます。
でもお玉ちゃんは違いました。
お玉ちゃんの両親は、黒炭姓でありながらオロチの治世下に強制労働で亡くなっているので、おそらくオロチの恨みや復讐心をよしとせず、娘のお玉にも憎しみを受け継がせなかったのでしょう。
健気さが着物を着ているようなお玉ちゃんは、コアラやしらほしが人間と魚人を繋ぐ希望であるように、ワノ国が恩讐を乗り越えて一つにまとまるキーパーソンなのだと思います。
このヒロイン達に関して、ワンピースの今後の展開で楽しみで仕方ないことがあります。
それは、少女時代のコアラの最初の理解者・擁護者であり、今や麦わらの一味の操舵手であるジンベエとコアラの再会です。
想像しただけで泣ける。
それから今やワノ国将軍であるモモの助と、悪の代名詞のようになった黒炭家の生き残りであるお玉ちゃんの関係。
光月家が黒炭家から嫁をもらうのが、国民の和解の象徴としてはベストだと思うので、ワンピース最終回とかに、何年後かの未来として描かれることを期待‼︎(笑)