今週も、トの康の覚悟と舞い散る白舞の紅葉と“ルフィ猛攻のBGM”に、秋の日のヴィオロンのため息のように胸ふたぎ涙した元少女Z、ゾリラバです、こんばんは。
こんなに泣いたのは、ホールケーキアイランド編のルフィとサンジの決闘以来です。
霜月康イエ、本当に凄い人物ですわ。
早速、感想いってみましょう。
今日のアニワンは、原作でいうと第942話の後半に当たります。
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トの康一世一代の演説
今にも死刑が執行されそうな状況にも関わらず、錦えもん達が配った「判じ絵」を自分のいたずらだと言って陽気に高笑いをするトの康。
えびす町での20年間の生活は、厳格な元大名霜月康イエを、仏のトの康に変えました。
人はここまで変わるものなんですね。
今週のアニメオリジナルシーンでは、おでんとの体格差をものともせず、互角に剣を交え不敵に笑う霜月康イエの姿も描かれましたが、本当に今のトの康とは似ても似つかない。
共通点を探すとすれば、誇るべき麗しのワノ国を私利私欲で汚したオロチに対する怒りを口にした時に、太鼓持ちの軽い口調が一瞬鳴りを潜めた時くらいでしょうか。
康イエと赤鞘九人男との縁
磔にされているトの康こと霜月康イエの言葉を、各地で赤鞘の侍達が聞いています。
ホールデムに頭山を焼き討ちされ怒り心頭で博羅町にやってきたアシュラ童子が、光画タニシで霜月康イエを観て驚いているところに、追ってきた錦えもん、イヌアラシの二人が合流しました。
兎丼ではルフィとヒョウじいが土俵の上でやはり光画タニシでトの康の処刑の様子を見つめています。
原作にはないこうした周囲の人間の反応を差し込むことで、よりはっきりと霜月康イエの人物像が浮かび上がりますね。
おでん様の軍資金欲しさに、錦えもん達はかつて大名霜月康イエの城に盗みに入ったようです。
あっさり捕まった彼らを許し、あまつさえ盗もうとした大金に更に財宝を上乗せをして与え、ごろつきだった錦えもん達を諭すかつての霜月康イエ。
まるで「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンを改心させた神父のようですね。
本当に霜月康イエは、立派な人物だっただけでなく、今も昔もワノ国を思い、光月家とその跡継ぎであるおでんをかけがえない大切なものと考えていたのでしょう。
霜月康イエの覚悟
光月家の無念を晴らし、ワノ国の災いの元凶であるカイドウを倒せるなら、命など惜しくないという覚悟がトの康の言葉から伝わってきます。
ホールケーキ・アイランドでルフィ達を逃がすために自ら犠牲となったペドロと同じように、トの康も太鼓持ちに身をやつしながら、20年前に死に損なった命の使い場所を探していたのでしょう。
オロチらの銃弾を浴びながら、最期まで笑って逝ったトの康の想いは、錦えもん達にしっかりと伝わりました。
錦えもんが男泣きしながら振り絞った
かたじけない!!
という言葉は、赤鞘の侍達に共通する思いでしょう。
そしておそらくトの康の唯一の心残りは、まだ幼い娘のおトコ。
薄れゆく意識の中で最期に「おまえを残して逝く父を許せ」と語りかけるトの康と、目の前で父親が蜂の巣にされてしまったおトコちゃんの気持ちを思うと、本当に胸がはりさけそうです。
トの康がおトコちゃんを肩車するアニオリシーンはもう涙無しに観られませんね。
SMILEについては、ネタバレになるといけないので、また来週語りたいと思います。
アニメワンピースの感想にしては長くなりましたが、お付き合いありがとうございました。