今週は“ONE PIECE”が休載でどうにも力が出ないので、自給自足を決意した火曜日のゾリラバです、こんばんは。
今日2月22日は、巷ではニャンニャンニャンの猫の日ですが、ワンピースファンにとっては、光月おでんの誕生日というとても重要な日でもあります(そうなの?)。
ワノ国編は、おでん様の豪快な生涯抜きには語れません。
衝撃的な処刑から20年経っても、敵味方に鮮烈な印象を残し、大きな影響を与え続けているおでん様の魅力について、今日はじっくり腰を据えて語っていきたいと思います。
若かりし頃の武勇伝
代々ワノ国の将軍を輩出する光月家の嫡男として、今から59年前に花の都に生を受けたおでん様。
物心付かない幼少期から、数々の武勇伝を残しています。
0歳で乳母を投げ飛ばし、2歳で兎2羽を同時に捕まえる俊足を示し(←“二兎を追う者一兎も得ず”の常識を早くも覆したというエピソードですよね、たぶん)、4歳で岩を投げて熊を撃破。
金太郎も真っ青の腕白っぷり。
そして6歳になると遊郭に入り浸り、城の金を使い込むという、単なる腕白少年とは言い難い破天荒ぶりを発揮し始めます。
その後は、8歳で賭場に出入りしヤクザと大抗争を起こしたり、10歳で賭場を燃やして服役したりと、順調に問題を起こし続けて健やかに?成長したおでん様。
最初は将軍の跡取りとして甘やかされた放蕩息子の御乱行かと思いましたよ。
でもね。
その後の海外での冒険を経て光月おでんという人物の生き様やスケールの大きさを知ると、こうした「悪行の記録」も額面どおり受け止めてはいけないことがよくわかります。
行く先々で事件を起こしたのは間違いないのでしょうが、いちいち言い訳をしないおでん様が、結果責任で悪者にされたことが多々あったであろうことは、「山の神事件」からも推測できます。
「窮屈でござる」と常々言っていたように、ワノ国はおでん様には狭すぎたんですね。
増える不肖の家来たち
ついに将軍であり父である光月スキヤキから勘当され、花の都を追放されるところから、おでん様の人生の第2幕が始まります。
「山の神事件」でおでんに心酔し、勝手に家来となって付き従ってきた錦えもんと傳ジローとともに、オジキと慕う白舞の大名霜月康イエの元にいったん身を寄せたのち、悪鬼が住むという無法地帯の九里を目指してワノ国を放浪する旅に出たところ…
錦えもんと傳ジローに続いて、みなしご、夜盗、追いはぎの類が次々と家来に。
それが後の赤鞘九人男となるイゾウ、菊之丞、カン十郎、雷ぞうとの出会いでした。
桃太郎のようなきびだんごも無く、むしろ家来が増えるのがあからさまに嫌そうなおでん様なのに、勝手に人が慕って付いてくるのは、やはり器量の大きさゆえなんでしょうね。
無法地帯を牛耳る“怪物”アシュラ童子を屈服させ、荒んだ人々に労働の喜びを教えて九里の郷を蘇らせるという偉業を達成したおでん様は、ついに将軍から20歳の若さで九里大名に任命されます。
おでんの大冒険
普通ならここで、めでたしめでたしとなるようなおでん様の出世物語。
でも、ワノ国の大名となっても、おでん様の「海へ出たい」という想いは止みませんでした。
九里を平定して立派な郷を作り上げても、「窮屈でござる‼︎」という気持ちは変わらなかったようです。
そんなおでん様の前に現れたのが、飛んで火に入る白ひげ海賊団でした。
ワノ国の将来の将軍たるべき光月おでんの乗船を最初は断固拒否していた白ひげですが、強引に乗り込んできたおでんの熱意と根性に負けて「弟」として船に乗せることに。
この乗船をめぐるイゾウとのやりとりは爆笑ものだし、その後のイゾウの数奇な人生のきっかけがこれかーと感慨深くもありますね。
そしてここからがおでんの生涯の第3幕とも言うべき大冒険の始まりです。
“白ひげ”エドワード•ニューゲートと行く世界は、ワノ国しか知らなかったおでんの想像を遥かに越え、4年間の白ひげ海賊団での冒険の間に、800年前の時代からやってきたという天月トキと間に、モモの助と日和という子宝にも恵まれます。
そして、後の海賊王ゴール•D•ロジャーとの運命的な出会いが、おでんの冒険を更に次の段階に押し進めることに。
長年“ONE PIECE”という宝を探し求めていたロジャーは、「最後の島」を見つけるため、「歴史の本文(ポーネグリフ)」の古代文字を読める人間を必要としていました。
なんと光月家は800年前にポーネグリフを彫った石工の一族で、古代文字の読み方は、一子相伝で光月おでんにも伝えられていました。
これこそまさに運命の出会い。
白ひげに土下座しておでんを一年間借り受けたことで、ロジャーが海賊王になる道が開けるわけですね。
そしておでん様にとっては、白ひげ海賊団での4年間が自分の好奇心と冒険心を満たす航海なら、ロジャー海賊団での1年間は、「世界の夜明け」を迎えるためにワノ国と光月家の使命を知ることになる旅でした。
“ONE PIECE”とは何か、という究極の問いへの答えに繋がるであろう「世界の夜明け」や「ワノ国の使命」については、我々読者にも未だ明かされていませんが、ロジャーとともに「世界の秘密」を知ったおでん様が、光月家の跡取りとして、将来のワノ国の将軍として、一国の命運を越えた何か大きな仕事をしなくてはならないことは明らかでした。
ロジャーとおでんが、ルフィ達も訪れたウォーターセブンや空島や魚人島を二十数年前に訪れ、幼いフランキーをはじめ我々読者にもお馴染みの人々と交流しているシーンには、毎週のように胸が熱くなりましたよ。
受け継がれる意志
しかし、「世界の夜明け」に向けてワノ国を開国するため帰国したおでん様を待っていたのは、四皇カイドウと将軍オロチが支配するワノ国でした。
5年間留守にしている間にすっかり変貌してしまった故郷を見て、将軍職を簒奪し圧政を敷くオロチと後ろ盾のカイドウを倒そうとしたおでん様ですが、市民を人質に取られ、言うなりにならざるを得ない状況に。
ここから処刑までの日々は、読むのが辛いほどの展開ですが、言い訳をしない男おでん様の漢気が泣けます。
この当たりのエピソードや処刑の場面は、もう一度書くのも辛いので飛ばしますが(おい)、ワノ国編というのは、いわば、おでん様が残した「ワノ国を開国せよ」という遺言を、ルフィ達助っ人の力を借りて息子モモの助や錦えもんら家来達が果たす物語というわけです。
鬼ヶ島での最終決戦で心身共に大きく成長したモモの助は、現在、花の都に向かって飛行中の鬼ヶ島を押し戻そうと、龍の姿で孤軍奮闘しています。
偉大過ぎる父親を持ち、自らの非力さや器の小ささを嘆きつつも、ワノ国と世界の未来のために闘っているモモの助を、おでん様とトキ様に見せてあげたいなぁ。
ヤマトが持っていた父おでんの残した航海日誌を読み、モモの助が自覚した使命とは何か。
ワノ国を「開国」することがなぜ「世界の夜明け」に繋がるのか。
いよいよ“ONE PIECE”という一大絵巻の重要な謎が、光月おでんとその息子モモの助の冒険の果てに明かされそうです‼︎