今週のジャンプに掲載されたONE PIECEを読めば読むほど、カン十郎という複雑な人物について、いろいろ語りたくなったヴィラン(悪党)好きのゾリラバです、こんばんは。
昨日は、カイドウのジョイボーイについての発言とモモの助に聞こえる声について考察しましたが、今日は、赤鞘の侍達に焦点を当てて、第1014話の後半の感想いってみたいと思います。
「人生の大根役者」の意味
今週のサブタイトルがワノ国編最大のトリックスター“夕立ちカン十郎”を指しているのは明らかです。
元ネタはおそらく、有名なシャンソン歌手シャルル・アズナブールの“Le Cabotin“という歌ではないかと思います。
日本では美輪明宏さんが、文字通り「人生の大根役者」というタイトルで歌っていますが、元々のフランス語の歌詞の方が、カン十郎にピッタリなので、一部を抜粋して訳詞付きで引用してみたいと思います。
Dans une pièce de trois murs
A ventre ouvert sur le public
Tout comme au bord d’un gouffre obscur
Avec mon trac avec mes tics
Je viens donner la comédie
Vibrant d’un feu qui brûle en moi
Je parle je pleure et je ris
Et vis mon rôle chaque foi
三方は壁に囲まれ
観客に向けてのみ開かれた舞台で
暗い奈落の淵に立って怯え震えながら
おれは芝居を演じる
自分を奮い立たせ、語り、泣き、笑い
常に自分の役を生きる
Ne me condamnez pas sans comprendre mon cœur
Je suis d’une autre race
Je suis un cabotin dans toute sa splendeur
La scène est mon espace
おれの心も知らず非難するのはやめてくれ
おれは血筋が違うんだ
おれは素晴らしき大根役者
舞台こそがおれの居場所
Je suis un cabotin dans toute sa splendeur
Et c’est toute ma vie
Donnez-moi un théâtre un rôle à ma hauteur
Et j’aurai du génie
Du génie
おれは素晴らしき大根役者
これがおれの生涯のすべて
おれにふさわしい芝居の舞台と役をくれ
天才的な演技をしてやろう
天才にふさわしく
(シャルル・アズナブール“Le Cabotin”より一部抜粋引用。ゾリラバ訳)
尾田っちの教養の守備範囲の広さには今更驚きませんが、さりげなくシャンソンをサブタイトルにぶっこんでくるとか、カッコ良すぎます。
もしかしてカン十郎というキャラの人物造形にもこの歌詞が影響しているのかと思うくらい、カン十郎にぴったりの歌です。
カン十郎の最期
さて、その舞台の上でしか生きられなかったカン十郎。
まんまと40年間にわたり主君と同志をだまし抜いて、千両役者として花道を飾り、人生の舞台に幕を下ろすはずでした。
黒炭カン十郎の幼児体験による深い闇と複雑な人物造形に、裏切り者と分かってからも改心を期待する気持ちがあったゾリラバですが。
おでん様に化けて赤鞘の侍に対峙するというやってはならないことをやり、アシュラ童子に続いて菊之丞にも致命傷を与えたことで、もう情状酌量の余地はないなぁと悲しかったです。
生まれながらの善人より改心した悪人に惹かれるゾリラバも、「もうカン十郎はいいよ、最期まで憎まれ役を全うして納得して逝ってくれ」と思ったの。
でも最後の最後に。
カン十郎の目に涙が光ってますね。
舞台では親友だったという錦えもんにかけたセリフと合わせて、役者としての仮面が最後の最後にはがれてしまったカン十郎は、役者としては大根かもしれないけど、ゾリラバは救われた気がしました。
うがちすぎかもしれないけど、もしかしてカイドウにグシャ‼︎と潰された錦えもんって、最期の力を振り絞って錦えもんに化けたカン十郎だったりしないかな。
だってどう見ても上半身潰れてて助からなそうです。
錦えもんはここでこんな死に方しないだろうというメタ的な推測でしかないんですが。
ホールケーキアイランドからの脱出の時に、ビッグ・マム海賊団に追い詰められて、サニー号があわや炎上したかと思いきや、寸前に船が入れ替えられていた、というオチがありましたよね。
あれと同じではないかと。
もしそうだとすると、カン十郎、ますます「大根役者」に相応しい最期と言えますね。
カン十郎がやってきたことは許せないけど、やっぱり憎み切れないキャラだなぁ。
生死不明の人物リスト
最近までのワンピースの物語の中で、過去編を除いて生死が気になるキャラに、菊之丞と錦えもんが加わりました。
他にも死亡フラグが立っているけどもしかしたら生きてるのではないかと思うキャラが何人かいます。
ゾリラバの勝手な生存可能性予想付きで列挙すると
○ ペコムズ(生存可能性60%。ビッグ・マム海賊団の囲みからなんとか脱出した可能性)
○ 霜月康イエ(生存可能性5%。先月発売のビブルカードに「享年」がついていなかったことにかすかな望み)
○ アシュラ童子(生存可能性40%。赤鞘のタフさに期待)
○ ゼウス(生存可能性70%。ナミのクリマタクトに間一髪逃げ込んだ可能性)
○ 菊之丞(生存可能性40%。赤鞘のタフさに期待)
○ 錦えもん(生存可能性50%。赤鞘のタフさとリーダーとしてのメタ的な重要性に期待)
赤鞘九人男は(カン十郎以外)全員生き残るのではないかという予想のバフが、生存可能性に乗っています。
シーザーの助言
なんとチョッパーがモンスター化できるランブルボールの改良に、シーザーが一枚噛んでいました。
信用できる奴かと言えば95%信用できないクズですが、科学力が高いことは確か。
ゾウでも麦わらの一味に脅されたとはいえ、毒ガスの中和や住民の治療にあたっていました。
そのシーザーのアドバイスにより、30分モンスターポイントで戦えるようになったチョッパー。
今のところ20分経過して、特に問題は起きていないようですが、シーザーの言う「リスク」が心配ですね。
チョッパーも承知の上で使っているのでしょうけれども。
モンスターポイントのリスクといえば、自我を失って暴走することと、終了後の激しい消耗。
前者は2年間の修行で克服しましたが。
時間を伸ばすリスクというのは、また暴走の可能性が上がるということですかね。
あるいは解除後のダメージが致命的に大きくなるか。
だいぶ前に、チョッパーのランブルボールは、動物(ゾオン)系能力者の条件付き強制覚醒ではないかと考察しましたが、果たして戦闘時間の延長と引き換えにどのようなリスクが追加されたのか。
こちらも気になります。
本日も長々とお付き合いありがとうございました。
あっちもこっちもピンチの鬼ヶ島最終決戦、続きが待ち切れませんね‼︎