ここ数週間、この日を楽しみに働いていたと言っても過言ではない、ワンピースプレミアショー&サンジレストラン@USJがいよいよ明日に迫り、心を踊らせながら大阪行き夜行バスを待っているゾリラバです、こんばんは。
はやる心を押さえて、今夜は8(や)月3(み)日が誕生日の黒ひげ海賊団船長、「ヤミヤミの実」の能力者、マーシャル・D・ティーチについて語りたいと思います。
ティーチの立ち位置
ONE PIECEという物語において、マーシャル・D・ティーチは独特の立ち位置を占める重要キャラです。
その特徴を見てみましょう。
第一に、主人公ルフィの兄エースの死の原因を作った海賊であること。
第二に、今のところ、敵役でありながら、物語の鍵となる「D」の名を持つ唯一のキャラであること。
第三に、ルフィとの最初の邂逅の時から、味覚(≒価値観)が真逆であることが描かれる一方で、高み(≒ワンピース)を目指す海賊としての心意気や仲間の増やし方については、ルフィとの相似性が見てとれること。
第四に、2つ口にすれば体が吹き飛ぶはずの悪魔の実の能力を、少なくとも2つ持っている(ヤミヤミの実とグラグラの実)こと。
これらティーチの特性をひとつずつ再確認しながら、今後、黒ひげ海賊団がどのように物語に関わってくるのかについて、考えてみたいと思います。
エースの仇(かたき)
仲間であるサッチを殺してヤミヤミの実を奪い、白ひげの元から逐電したティーチが、追ってきたエースをバナロ島で倒し、海軍に引き渡したのは、単にエースが、王下七武海入りという当面の目標を達成するために手っ取り早く名を上げられる格好の獲物だったから。
ただそれだけです。
エースがティーチに追い付いていなければ、標的となったのはルフィでした。
ティーチがインペルダウンで言ったとおり、運命は奇しくもエースと引き換えにルフィを守りました。
エースの最期は、頂上戦争において赤犬の攻撃からルフィを守ったことによるものでしたが、それ以前にエースは、黒ひげティーチからもルフィを守っていたわけですね。
ティーチ本人からそのことを知らされたルフィにしてみれば、ティーチはいずれ必ず決着をつけなくてはならない兄の仇です。
ティーチが「D」の名を持つ意味
現在、名前にDがついていることが判明しているのは以下の9人です。
①モンキー・D・ルフィ
②モンキー・D・ガープ
③モンキー・D・ドラゴン
④ゴール・D・ロジャー
⑤ポートガス・D・ルージュ
⑥ポートガス・D・エース
⑦ハグワール・D・サウロ
⑧マーシャル・D・ティーチ
⑨トラファルガー・D・ワーテル・ロー
この中で唯一、巨人族であるサウロも、特異と言えば特異ですが、改めて列挙して眺めてみると、なぜここにティーチが入っているのか、とても気になります。
「Dの意志」が空白の100年に世界政府に滅ぼされたある巨大な王国と関係があるならば、そしてDの一族が現在の秩序を壊し「世界をひっくり返す」宿命を負っているのであれば、むしろワンピースという物語におけるラスボスは、同じDの名を持つ黒ひげティーチではなく、天竜人に代表される世界政府という可能性が高くなります。
ところがティーチのこれまでの描かれ方は、まさにルフィの最終的なライバル、まさにラスボスのような扱いです。
ルフィとティーチ
ルフィとティーチがジャヤのモックタウンで初めてあった時、ティーチは、まだ目覚めてすらいないルフィの覇気を察し、懸賞金が3000万ベリー(などという低い額)であるはずがない、と主張しました。
ルフィは逆に受けとっていましたが、ティーチはベラミーやその仲間と違って、最初からルフィの潜在力を見抜いていたと言えます。
また、チェリーパイやドリンクの味を巡ってルフィと全く反対の感想を述べ、子供のような言い争いをしたこともそうですが、ティーチの最初で最後のカッコいいシーンである(笑)「人の夢は終わらねぇ!!!(どんっ!)」にしても、主人公の永遠のライバルの匂いがプンプンします。
そしてルフィが仲間を増やし、麦わらの一味が大きくなるのと同じようなペースで、黒ひげ海賊団も大きくなりました。
ティーチの初登場時の仲間は、バージェス、オーガー、ラフィット、ドクQの4人。
この人数はグランドラインにルフィが入った時の仲間の数と同じです。
そしてルフィが2年間の修行期間を経てシャボンディで仲間と再結集した頃には、ティーチもインペルダウン脱獄組のシリュウ、バスコ・ショット、サンファン・ウルフ、カタリーナ・デボンを仲間に加え、麦わらの一味と同じ9人の海賊団になっていました。
更に現在では、大規模な傘下の海賊団がいるところも、ルフィとの相似性があります。
2つの悪魔の実の能力
マルコ曰く、ティーチは「体の構造が異形」だそうです。
これは、ティーチが白ひげからグラグラの実の能力を奪ったときのマルコのセリフなので、ティーチが2つの悪魔の実の能力を持てることと体の構造が異形であることの間に何らかの関係があるのは明らかです。
ティーチの体の謎については、巷でも様々な考察や解釈が繰り広げられていますが、ゾリラバは、このマルコのセリフに加え、初登場にルフィとゾロがティーチのことを「あいつ」ではなくて「あいつら」だと言ったこと、エースがティーチのことを「人の倍生きている」と言ったこと、ティーチの海賊旗にはドクロが3つあること、子供時代のティーチが月を見ながら泣いていることなどから、ティーチについては、「昼も夜も眠らない3つの頭を持つケルベロス説」が最も面白いと思っています。
青キジの狙い
黒ひげ海賊団について今最も気になるのは、ティーチのところに身を寄せているらしい元海軍大将青キジの意図です。
これまでの青キジの描かれ方や立ち位置からして、どう考えても悪人ではなく、「こっち側の人」であるはずの青キジの真意を読み解くことが、今後、黒ひげ海賊団が物語にどう絡んでくるかを推測する鍵になりそうですね。
ONE PIECE novel A 2 (JUMP j BOOKS)