ワンピースキャラ語り~ポートガス・D・エース~人生の意味を見つけて逝った海賊王の息子

キャラ語り 考察~徒然なるままに

ワンピースキャラ語り~ポートガス・D・エース~人生の意味を見つけて逝った海賊王の息子

投稿日:2021年1月2日 更新日:

新しい年を迎えて最初に挨拶したのが近所の猫だった、今年も良いことがありそうな気がするゾリラバです、明けましておめでとうございます。

ゾリラバ:にゃー(あけおめー)

猫:にゃー、にゃっ!!(あけおめー、ことよろ!!)

 

それから人とは一言も口をきかないまま元日が終わろうとしていますが、人間の言葉を忘れないよう、今日もワンピースを熱く語りたいと思います。

1年の「ゴール」である12月31日が「ゴール・D・ロジャー」の誕生日なら、新しい年を迎える1月1日は、その息子ポートガス・D・エースの誕生日。

海軍王の息子として生まれ、自分は生まれてきて良かったのか、という問いの答えを探し続けたエースの短くも熱い生涯について、“メラメラの実”に負けないくらい熱く語ってみたいと思います。

 

エースの出生と幼少期

海賊王の一粒種エースは、母親ポートガス・D・ルージュの命がけの隠蔽工作によって、海軍にも世間にも気づかれることなく、南の海(サウスブルー)のバテリラという地でひっそりとこの世に生を受けました。

海賊王の息子の存在を気づかれないよう、常識を越えて20ヶ月の間エースを胎内で守った母ルージュは、出産後間もなく力尽きるようにこの世を去ります。

父親は既に処刑され、生まれると同時に母親も失ったエースは、ロジャーと因縁が深かった海軍のガープ中将に引き取られ、ガープの故郷である東の海(イーストブルー)でこっそり育てられました。

この海賊王と海軍の英雄の間の奇妙な信頼関係については、昨日のロジャーのキャラ語りや、だいぶ前のガープのキャラ語りで熱く語ったので繰り返しませんが、敵同士でも長年拳で語り合った二人には、相通ずるものがあったんでしょうね。

 

ガープは赤ん坊のエースを山賊ダダンに(半ば脅し気味に)託し、コルボ山の山奥で人知れず育てさせます。

物心ついて自分が海賊王の息子だと知ったエースは、いつも暗い目をして暴力に明け暮れる少年でした。

エースが父ロジャーのことを街で尋ねまわった時に返ってきた言葉は皆、大海賊時代を生むきっかけになったロジャーを口汚く罵るもの。

自分は生まれてきて良かったのか。

少年エースは、世間に最悪の犯罪者とされる父ロジャーの名に縛られ、自分の存在価値を見いだすことができなかったのでしょう。

 

ルフィとの出会い

幼い頃から自暴自棄だったエースを変えたのは、ガープが同じくダダンに預けるためにコルボ山に連れてきた孫のルフィでした。

どんなに拒絶しても自分を慕い後を追ってくる3歳下のルフィを最初は邪険にしていたエースですが、エースの存在価値を丸ごと肯定し頼りにするルフィに、エースは生まれて初めて自分を必要とする人間がいることを理解します。

貴族の家に生まれながらいつか海に出て自由に生きたいという願いを共有する同い年のサボと、自分を慕うルフィの二人によって、エースは少しずつ信頼や愛情という人間らしい感情に目覚めていくんですね。

サボ、ルフィと盃を交わして義兄弟になったことで、エースには守るべき「身内」ができました。

口は悪くても赤ん坊だったエースを17歳まで育て、時には命がけで守った仮親ダダンや、フーシャ村から時々コルボ山に通って3人を弟のように世話したマキノさんも、エースの閉ざされた心を少しずつ溶かしたのは間違いないでしょう。

触れる者みな傷つけるナイフのようだった少年エースが、父親である海賊王ロジャーの呪縛は解けないまでも、17歳で出航した時には太陽のような笑顔を見せて手を振る青年に成長していたことに、ゾリラバ、いたく感動しました。

原作では省略されたエースの生涯を描いた小説“NOVEL A(エース)”でも、この劇的な成長の過程は描かれていません。

いつの日か尾田っちが番外編を描いてくれることを期待しています。

 

オヤジと息子

おれは海賊になって

勝って勝って勝ちまくって

最高の“名声”を手に入れる!!

それだけがおれの生きた証になる!!!

(ONE PIECE第585話)

 

海賊王になるという夢を持ち続けているルフィとは異なり、父である海賊王ロジャーを越えるため名声を得たい、という動機で海に出たエースは、手っ取り早く名を上げるために、四皇白ひげの首を狙います。

このあたりは、エースの心理描写も含め小説第2弾の“NOVEL A2”に詳しく描かれています(とても読みごたえがある良い小説だと思うので、未読の方にはおすすめです)。

 

さて、“海賊王の息子”というアイデンティティーを嫌い、海賊王の生涯のライバルだった白ひげを倒すことで、父を越えようとしたエースですが、全く敵わない白ひげの圧倒的な強さと器の大きさの前に、なぜ高みを目指すのかをもう一度自分に問い直さざるを得なくなります。

命を狙ったルーキー海賊のエースに、“おれの息子になれ”と手を差し伸べた白ひげは、エースが海賊王の息子だということを悩みながらもカムアウトした時にこう言いました。

 

大事な話ってェから何かと思えば小せェこと考えやがって

誰から生まれようとも…

人間みんな海の子だ!!

(ONE PIECE第552話)

 

白ひげが“グラララララ”と笑いながら言ったこの一言は、白ひげの器の大きさを表すとともに、エースが物心ついた頃から囚われていた実の父親である海賊王ロジャーの呪縛を解く決定的な言葉だったと、ゾリラバ、確信しています。

そしてエースが名実ともに白ひげの息子になった瞬間だと。

センゴク元帥(当時)が看破したとおり、白ひげはエースの告白以前からおそらくその出自を悟っていて、かつてのライバルであり酒を酌み交わす盟友でもあったロジャーの落とし種を、その大きな翼の下に庇護したのでしょう。

エースにとっては皮肉かもしれませんが、ロジャーの敵であったガープじいちゃんと白ひげに守られてエースが成長を遂げたことは、海賊王ロジャーが死してなお偉大な人物であったことを証明していますね。

 

エースの最期

これを書くのが辛くて先送りしていたエースのキャラ語りですが、頂上戦争において、エースは白ひげ海賊団やルフィ達の奮闘にもかかわらず、最期はルフィを庇って海軍大将赤犬の拳に貫かれ、20年というあまりに短い生涯を閉じます。

しかし、頂上戦争の処刑台でのエースの描写やルフィに言い残した言葉から、この数奇な運命に翻弄された青年が、悔いのない人生を送り満足して逝ったことがよくわかります。

子供の頃、ガープじいちゃんに問いかけた、おれは生まれてきて良かったのか、という疑問。

名声を上げれば生きた証になると思っていたのは間違いで、自分が本当に欲しかったものは、自分の生を肯定して愛してくれる存在だったことを、エースは命の瀬戸際で理解したんですね。

ガープじいちゃんが少年エースの問いかけに答えて言った

 

そりゃあ、おめェ…

生きてみりゃわかる

 

という深い言葉が真実だったこともエースは理解したでしょう。

だからこそのエースの最期の言葉。

 

愛してくれて………ありがとう!!!

 

うぇーん(泣)

 

エースの“意志”

昨日のロジャーのキャラ語りで、“受け継がれる意志”には少なくとも2つの流れと継承者があるのではないかという仮説を立てました。

一つは、ジョイボーイ→ロジャー→ルフィと受け継がれた「世界をひっくり返す」役割。

そしてもう一つは、それとは別の、白ひげが「エースの意志」と呼んだ、それを支え、助ける役割。

エースの死の直後、マルコがルフィを助けるよう呼び掛け、その命こそ「生けるエースの“意志”」だと言った(ONE PIECE第575話)のも、その考察を裏付けているように思います。

 

それでは、今は亡きエースの“意志”は今後誰が受け継いで行くのか。

一人は、エースとルフィの義兄弟であり、エースの“メラメラの実”を受け継いだサボでしょう。

サボ自身もそう宣言しています。

あいつの意志はおれ達が継いでいくんだ

(ONE PIECE第731話)

 

そして、これはもしかしたら第3の“受け継がれる意志”の流れなのかもしれませんが、最近のONE PIECEの展開で判明した、エースがヤマトを助けカイドウを倒してワノ国を開国しようとしていたという事実。

これも光月おでんから受け継がれた“意志”だとすると、エース亡き今、これを受け継ぎ果たすのは、跡継ぎの光月モモの助と“おでん”を自称するヤマトでしょう。

白ひげの“いずれエースの意志を継ぐ者も現れる”という予言は、複数の人間によって果たされるのかもしれませんね。

 

新年1本目の記事はだいぶ長くなりましたが(日付が変わってしまいました…)、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

本年もよろしくお願いします。

 


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